天守や曲輪(くるわ)を守る防御施設の一つとして狭間(さま)があります。
壁や土塀に作られた無数の小さな穴のことです。
その形なので色々な役割があるので、今回はそれを見ていきたいと思います。
狭間の種類と機能
狭間(さま)は、鉄砲や矢を放つための防御施設の一つです。
狭間の形には、長方形、正方形、三角形、円形などがあります。
また位置も、高い位置の狭間や低い位置の狭間もあります。
それぞれの役割などを見てみましょう。
長方形の狭間
長方形の狭間は矢狭間(やざま)といい、弓矢を放つためのものです。
弓を引く動作に合わせた形になっており、穴の大きさは外側で横五寸(約15 cm)、縦一尺五寸(約45 cm)ほどです。
弓は立って引くため、通常は床から二尺五寸(約75cm)より上に作られています。
長方形以外の狭間
長方形以外の形をした狭間は、鉄砲狭間(てっぽうざま)と呼ばれるものです。
鉄砲を撃つための穴で、正方形や三角形、円形などがありました。
正方形の狭間は箱狭間(はこざま)、円形の狭間は丸狭間(まるざま)とも呼ばれています。
鉄砲は片膝をついて構えるため、高さは通常下から一尺五寸くらいです。
これを居狭間(いざま)とも呼びます。
狭間の作り方
狭間は土壁に穴を開けて作ります。
壁の分厚い近世城郭では、土壁を塗る前に枠を組みます。
四角形や三角形の狭間は、木で底なしの箱を作ってそれを枠としました。
狭間は内側の口を広くして、外側の口を狭く造る「アガキ」という方法で作られます。
これは敵の攻撃を防ぎやすく、逆に防戦しやすくするためです。
狭間は柱の間に一箇所ずつ切られることが多く、矢狭間と鉄砲狭間が交互に作られました。
狭間の応用編
狭間ができたことで、それが並んでいるだけで敵が警戒して近づかなくなりました。
しかし、さらに不意打ちのために隠し狭間というのが作られました。
これは狭間の入り口を薄い土壁や板で塞いで、敵が近づいたら内側からそれを突き破って攻撃するという仕掛けです。
まとめ
狭間には形によって役割が異なるものがあることがわかりましたね。
色々なお城に巡りをした時にはこの狭間も注目して見てみると何か新しい事が発見できるかもしれません。
ということで防御設備の一つである狭間は、機能によって形が違うよ、というお話でした。
じゃあね🖐️
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