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【お城の基礎講座】29.天守の払い下げ

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長い江戸時代が終わりを迎え、明治という時代がやってきたとき、天守は無用の長物となってしまいました。
明治維新後に城や天守が辿った道を今回は見てみようと思います。

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そして、明治維新

明治維新によって江戸時代が終焉を迎えました。
しかし多くの城がそのまま存在していました。
明治新政府ができたとしても地方の暮らしは急速に変化していたわけではないからです。
明治四年(1871年)の廃藩置県まではそのまま放置されていましたが、財政難のため荒れ放題の状態になっていたのがほとんどだったようです。
廃藩置県は、江戸時代より続いていた藩を廃止して、代わりに県を置くというものです。
従来の大名はいなくなり、新たに県知事が置かれることになりました。
城郭はと言うと、大名や藩のものではなく陸軍が管理することとなったのです。
陸軍は不要な城は全て廃城としました。

払い下げ

そして天守や櫓といった建物から門、立ち木に至るまで競売によって払い下げられました。
廃城になった城は200以上と言われています。
しかしながら天守や櫓などは移築に多額の費用がかかってしまいます。
そのため、払い下げられずに残っていた天守や櫓などもありました。
それらの内、残されたものが現在でも現存している天守や櫓ということになります。
その他、払い下げられたものは薪として利用されたり、リフォームして蔵や屋敷などに用いられました。
また高麗門や薬医門などは、寺院などの門として移築されました。
それらの一部が現在でも残されています。

城郭のその後

城郭の建物は、上で見たとおり払い下げられたり解体されたりしました。
城郭があった場所はどうなったかと言うと、陸軍が軍隊の駐屯地として利用したり、公園として利用されたりしたものもあります。
学校などの教育機関が出来たりする場所もあり、現在でもそのまま残されている城跡もあります。
ほとんどが新しいまちづくりによって再開発され、城郭の痕跡が失われていますが、今でもその面影が残っているところがありますので、城めぐりの際には地図を頼りに探してみるのも面白いと思います。

幕末から明治初期の城郭写真

そんな幕末から明治初期のころ、各地の城郭が写真に収められていました。
今では見ることができないその雄姿を、写真で振り返ることができるのです。
しかも、全国の城郭の写真が一冊にまとめられた蔵書があります。
永久保存版 レンズが撮らえた『幕末日本の城』という本。
幕末の134城をレンズに捉え、いまに伝える優れものです。
これほど揃っているものは、他にはないでしょう。
何度眺めても楽しめちゃう一冊。
お城が好きならぜひ持っていたいですね。
リンクを貼っておきますので、興味があったらどうぞ。 

レンズが撮らえた幕末日本の城―永久保存版

レンズが撮らえた幕末日本の城―永久保存版

  • 作者:來本 雅之
  • 発売日: 2013/04/01
  • メディア: 単行本
 

(攻城団による追記)
上記の本の続編というか増補改訂版が出版されています。こちらは136城、980点の写真を掲載しています。

古写真で見る幕末の城

古写真で見る幕末の城

 

まとめ

明治維新によって、全ての城郭が廃城となり、長きにわたり勤めてきた城の役目も終わりました。
明治という新しい時代にそぐわないと考えられた城は、そのほとんどが解体などされ姿を消しましたが、天守は12が現存し、櫓もいくつも現存しています。
町などにも城の痕跡や面影があるところが多く残っていますので、それらを散策するのも楽しいですね。
ということで、城の払い下げについて見てみました。
じゃあね🖐️

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