攻城団ブログ

お城や戦国時代に関するいろんな話題をお届けしていきます!

【歴代征夷大将軍総覧】徳川将軍――江戸時代

こちらもご覧ください!(広告掲載のご案内

 

戦国時代とその終わり

応仁の乱と明応の政変によって室町幕府・足利将軍の権威が地に落ちると、全国各地で小競り合いが多発するようになった。その主役となったのが、戦国大名たちである。

彼らは必ずしも天下取りを望んでいたわけではなかった――自らの領地を守り、また傘下の武士たちをつなぎとめ、あわよくば領域を拡大するために戦うのが基本的な姿だったのだ。中には大内義興のように「将軍を擁して上洛し、天下に号令する」くらいのことを考えていたものもいたが、結局それは室町幕府の仕組みの中のことであり、それに成功するものはいなかった。
そして、新たな枠組みを作ろうとするものも長らく現れなかった。

しかし、長い動乱もやがて終わる時がくる。
尾張の大名・織田信長が上洛して天下の半ばを制圧し、彼が家臣の謀反で倒れた後は豊臣秀吉が受け継ぎ、全国の諸大名を支配下に治めて天下統一を達成する。
秀吉の死後、彼の作り上げた豊臣政権は内部の不和が主な原因になって崩壊するが、信長の同盟者であり豊臣政権でも最大の大名であった徳川家康が新たな天下人となる。

二百数十年の歴史を刻んだ江戸幕府

家康は征夷大将軍となって江戸幕府を創設し、秀吉が遺した豊臣家を滅ぼして、以後二百数十年にわたって武士による大規模な合戦のない太平の世を作り上げる。戦国時代の終わりであり、江戸時代の到来であった。

江戸幕府は徳川宗家出身の将軍を頂点とし、全国の大名たちをその下に従えるシステムをとった。また、これとは別に直属の家臣団である旗本・御家人がいる。
幕府は全国の大名たちにかなり高度な自治を認める代わりに、強大な軍事力や各種の大名統制手段で彼らが謀反に踏み切らないよう、時代が戦国に逆戻りしないよう、縛った。1年交代で国許と江戸を往復しなければいけない「参勤交代」や、幕府の命で城など大規模土木工事をしなければいけない「御手伝普請」などはその代表格といえる。

幕政を取り仕切るのは、天下統一以前から徳川家臣だった譜代の大名や旗本・御家人が主で、彼らが幕府の重要ポストを独占した。
天下統一以後に徳川支配下に入った大名たちは外様大名と呼ばれ、長く幕政にかかわることを許されなかった。これもまた、大名統制のひとつの手段といっていいかもしれない。

巨大な官僚制度というべき江戸幕府体制は長く平和を維持させたが、やがて経済の成長に代表される社会システムの変化や諸外国による外圧、体制そのものの疲弊によって崩壊していく。
これが幕末の動乱であり、時代は明治維新へと移り変わっていく。そうして、徳川将軍もまた歴史の表舞台から退場し、長かった征夷大将軍と武家政権の歴史に終止符が打たれるのである。

松平氏から徳川氏ヘ

徳川氏はもともとの名を松平氏といい、もとは三河の国衆である。
『徳川家譜』によれば、血筋のルーツとして源義家があり、その末裔の新田義季が「得川四郎」を名乗ったことを始まりとする。この得川四郎が各地を放浪し、その子が松平の地に住み着いて松平氏を名乗るようになった――というのが筋書きなのだが、これは家康による創作であろう、と考えられている。この時代、政治的な事情から経歴を創作・詐称するのは決して珍しいことではなかった。

ともあれ、三河の小勢力から出発した松平氏は、一度は三河を席巻するほどに勢力を拡大するも、当主が家臣に殺害されるなどして衰退。しかし家康の代に盛り返し、その宗家が徳川氏を名乗るようになり、ついには天下人にまでなった。
家康には数多くの子がいたが、そのうち長男・信康は同盟者である織田信長との軋轢の末に殺され、次男・秀康は豊臣氏および結城氏に養子に出されたので家督を継ぐ資格を持たなかった。結果、三男・秀忠が家督を継承して2代将軍となり、以後この血筋が徳川宗家として代々の将軍職を継承していくことになる。

また、家康の子のうち年少の3人――すなわち、9男の義直(尾張藩)、10男の頼宣(紀伊藩)、11男の頼房(水戸藩)はそれぞれ大大名として立てられ、特別な権威を与えられた。彼らは徳川(松平)一族である親藩大名の中でも特に別格の存在として「御三家」と呼ばれた。
御三家はときに幕政へ介入するようなこともあり、また宗家が途絶えた際にはこの中から新たな将軍が選ばれたのである。

この御三家に準じる存在として江戸時代半ばに立てられたのが、8代将軍・徳川吉宗のふたりの子(田安・一橋家)と9代将軍・家重の子(清水家)の「御三卿」である。彼らは独立した藩というよりも将軍の身内という扱いで、江戸城内に屋敷を与えられ、領地も明確ではなかった。
家臣には幕臣からの出向者が多く、家臣構成からみても特殊な存在であった。

フィードバックのお願い

攻城団のご利用ありがとうございます。不具合報告だけでなく、サイトへのご意見や記事のご感想など、いつでも何度でもお寄せください。 フィードバック

読者投稿欄

いまお時間ありますか? ぜひお題に答えてください! 読者投稿欄に投稿する