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【殿様の左遷栄転物語】第5章まとめ 後ろ盾をなくしてしまえば……

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成り上がったはいいけれど

ここまで、江戸時代に陪臣(あるいは家系的な裏づけを持たない新参者)の身から成り上がり、それぞれの結末を迎えた者たちの姿を見ていただいた。

共通していたのは、彼らはもちろんそれぞれに才覚はあったが、出世の決め手はなんといっても将軍による引き立てであった、ということ。どれだけの才があろうと、江戸時代の日本はそれだけで政治の中枢に乗り込めるような世界ではなかった。
絶対的な権威である将軍が引き立ててこそ、名門譜代大名たちが独占している幕政の要職に割り込み、思うように政治を動かすことが許されたのである。

だからこそ、彼らは強い非難にも晒された。名門の譜代大名たち、旗本たちからすれば、彼らは「よそ者」であり、本来なら自分たちと並ぶことなどありえず、ましてや上に立つことなど絶対に許されない、屈辱だ、と考える。
そのために、成り上がり者たちは独自の派閥を形成し、また人間関係に気を配っていく必要があっただろう。だが、それでも限界はある。

で、あるならば、後ろ盾の将軍がいなくなった後に彼らもまた幕政の中枢から追放されてしまったのは、まったく理の当然といえるだろう。
本章で紹介した中で、ふたりの将軍の元で活躍したのは間部詮房と新井白石の両名であるが、彼らは最初に仕えた家宣の子である家継を将軍に擁することができたので、その権勢を維持できたわけだ。家継もまた亡くなり、その後にやってきたのはまったく別のバックボーンを持つ吉宗だったのだから、政権から追われたのは当然のことだったのだ。

成り上がることの覚悟

彼らの教訓を現代に生かすのであれば、「ワンマン社長の引き立てで出世をするにあたっては相当の覚悟がいる」ということになるだろうか。
社長が健在なうちはいいが、いなくなった瞬間に社内での立場は怪しくなる。それまでと同じような活躍はできないと思ったほうがいい。

たとえば別の場所にも基盤を作っておく、あるいは社長がいなくなったら会社に残らずさっさと新天地を求めるなど、準備や覚悟をしておかなければ、その後ひどいことになりかねない。
自分の本来持っている基盤以上の成功を目指すのであれば、それによって発生するデメリットもまた甘受して、自らの行く道を決める力が必要になってくるわけだ。

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