攻城団ブログ

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40年ぶりの特別公開、古田織部ゆかりの興聖寺を見学してきました

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現在「京の冬の旅」で特別公開中の興聖寺に行ってきました。
行ってきたといってもうちから徒歩10分くらいの場所なので、散歩がてら立ち寄ってきたのですが、とても大きなお寺でした。

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興聖寺は1603年(慶長8年)、古田織部(古田重然)によって建立された寺院です。マンガ「へうげもの」で有名ですね。
「織部寺」とも呼ばれているのでそのこと自体は知っていたのですが、通常非公開ということもあり、散歩する際に気にはなっていたものの参拝したのは今回がはじめてです。

京都の町並みの特徴でもあるのですが、堀川通から見た印象と異なり、門を入ってみると境内がすごく広くてびっくりしました。

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また京都のお寺の歴史あるあるですが、興聖寺も過去に焼失しています。
江戸時代の1788年(天明8年)に起きた天明の大火で焼失して、その後再建されました(ほかには応仁の乱や天文法華の乱で焼失した寺院も京都市内には多いですね)。

唯一、建立時から残っているのが本堂に安置された達磨大師の像で、これは藤堂高虎によって寄進されたものだそうです。高虎と織部の関係ってなにかありましたっけ?
また天井に描かれた「雲龍図」も立派でした。
※建物内はほぼ撮影不可

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撮影可だったのが方丈内の障壁画で、この珍しいデザインの襖絵は写真だそうです。
(海中写真家・杏橋幹彦さんの作品)

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天井の絵は檀家のみなさんで描いたとか。
桜・竹・紅葉・松(雪)と四季を描いているんですけど、きれいでした。

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興聖寺、いちばんの見所はこの中庭にある「降り蹲踞 (つくばい)」です。
「まいまいず井戸」のように、地面を深く大きく掘り下げ、螺旋状の石段を降りた先に手水鉢があります。以前は水が湧いていたそうですが、いまは枯れているとか。

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かなり珍しいのですが、あとでネットで調べてみたら大徳寺の塔頭・高桐院や滋賀県の青岸寺など、ほかにもあるようですが、これだけ大きなのはここだけみたいです。

なんとも洒落たこの「降り蹲踞」が古田織部によるものだと断定できる記録はないそうですが、でもこんなに奇抜な発想は織部っぽいですよね。
ザ・数寄って感じ。ちなみに奥に見えてるのは織部灯籠です。

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全体的にお庭が素晴らしかったです。
枯山水があったり。

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露地庭があったり。

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方丈の前にある池泉式庭園も見事でした。

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なお興聖寺には雲了庵と青松庵というふたつの茶室があります。
このうち、雲了庵は古田織部の院号から名付けられた茶室で、織部の木造が祀られています。
ここも室内は写真は撮影不可だったので、観光協会のサイトで確認してみてください。

ja.kyoto.travel

もうひとつの青松庵は織部の妻の院号から名付けられた茶室ですが、今回は非公開です。
ガイドの方の話によると、織部夫妻のほか、水墨画で有名な江戸時代の絵師・曾我蕭白(そが しょうはく)のお墓もあるそうです。蕭白の代表作『寒山拾得(かんざんじっとく)図』も興聖寺に収蔵されているそうですが、今回は公開されてませんでした。

余談ですが、公式サイトにも「古田織部により建てられました。」とあるものの、Wikipediaには「織部は大徳寺住持・春屋宗園に参禅しており、日蓮宗の虚応に開基を頼むわけもなく、当寺と織部との関係を示す記録は一切ない」と建立に関わった点については否定されています。
このあたりはちょっとよくわからないです。

www.ko-sho-ji.jp

早朝坐禅の会が開催されているので、そのうち参加してみようかな。
今回の特別公開は3月18日(金)までですので、「降り蹲踞」をご覧になりたい方はお早めに。

collection.kojodan.jp

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