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【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】城をめぐる戦いの様相③――火攻めと土竜攻め

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より直接的な城攻め法として、「火攻め」がある。
火攻めといえば火矢を山のように撃ち込んで城を燃やしてしまうもの、というイメージがある。実際にはそれ以外にも、城近くの民家を燃やして類焼させたり、民家を壊した廃材や近くの木材を積み上げて火をつけたり、といった手法も使われた。
とりあえず燃やす、という乱暴な手段であるため、籠城側の武将を逃がしやすい、という問題もあったが、それでも城を奪いたい、あるいは城を破壊して戦局を有利に運びたい、という時に選択されたのであろう。

当時の建物は多くが木で作られていたので、一度火がつけばさぞ大きく燃えただろう。
しかし、城によってそもそも瓦屋根や土壁で火に強かったり、あるいは準備の項で紹介したように泥を塗ったり火を付るための民家などを撤去してしまったりして、籠城側も火攻めに対処したようだ。

ちょっと面白い手段として、「土竜(もぐら)攻め(金掘攻め)」という手段もある。
これは文字通り、土竜――すなわちモグラのように穴を掘って地下道を作り、深い堀も高い塀も無視して城の中に出てやろう、という戦法だ。櫓の基盤部分に火を付て燃やしてしまう手法も使われたらしい。同じような作戦として、塀に穴を開けたり崩したりして突入する、というものもあった。

しかし、これは素人でも穴を掘ればできる、というものではない。そこで、普段は鉱山で坑道を掘っている職人たち、いわゆる「金掘衆(かなほりしゅう)」が動員された。実際、領内に多くの鉱山を有する武田信玄がこの作戦を得意としていたと伝わる。
もちろん、籠城側もこの作戦の存在は知っているから対処をする。土中に瓶を埋めておくと、敵の掘ってくる穴が近づいてきた際に工事の音が反響して聞こえるのだ。
ところが攻城側もこの瓶の存在を知っているから、工事がいよいよ場内に近づくと、それまで以上に騒ぎ、鉄砲の音を鳴らして、カモフラージュをする。ある種のいたちごっこが展開されるわけだ。

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