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【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】城をめぐる戦いの様相⑤――城攻めの兵器、城を守る兵器

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とはいえ無理に力押しをしなければいけないケースはある。長々と攻めている時間がない、策略が見破られる、調略に失敗する、地形的に小細工の仕様がない。様々な可能性がある。
それでもせめて味方の損害は減らしたい、というのは誰もが考えることだ。
結果、城攻めにあたっては各種の兵器が活用される。これは攻城側だけでなく籠城側も同じで、敵が攻めてくれば兵器を作り、少しでも味方の損害を減らそうとするわけだ。

まずは攻城側の兵器から見てみよう。
攻城側にとって最大の問題は城から矢継ぎ早に飛んでくる矢や石、銃弾をどうよけるかだ。そこで、木製・鉄製の「盾」はもちろん、竹を束ねた「竹束(たけたば)」や、竹製で兵士ひとりが入って弾除けにする「我屈の洞」という大きな箱などが登場した。竹などで銃弾が止まるものかと思うかもしれないが、これがなかなか効果的であったようだ。
また、台車の前面に木の板を何枚も取り付けた「持備(もちぞなえ)」や、同じく台車の上下左右を盾で家のように囲ってしまった「轒轀車(ふんおんしゃ)」、台車に立てた柱に巨大な盾を引っ掛けた「木幔(もくまん)」といった兵器もあり、戦国時代版の戦車といえよう。

城の高い塀や土塁・石垣、堀なども攻城側にとっては大きな障害になる。これらを乗り越えるためにも、各種の兵器が使用された。
城の内部構造が外から確認できれば、大きな助けになる。そこで、材木を幾重にも組み上げて(土台部分は蒸し器の蒸籠やキャンプファイヤーの木材をイメージしてほしい)櫓にした「井楼(せいろう)」(これは城の中の櫓としても用いられた)や、支柱から伸ばした縄で兵士の入った箱を吊り下げる「釣井楼(つりせいろう)」などがあった。
高い視点から弓矢で攻撃したり、城内を観察して城攻めに役立てたりするわけである。

堀をわたり、塀を乗り越えるためにも道具が必要だ。
ドラマなどで塀に大量に取り付いた梯子を必死に上る兵士の姿を見たことがあるのではないか。竹束を組んだ「結橋(ゆいばし)」、梯子状の「梯子橋」で堀をわたり、同じく梯子状の「継橋(つぎはし)」や頭の部分に鍵爪が付いていて引っ掛かりやすくなった「投げ橋」で塀を越えるわけだ。
もちろん、これらの道具を使って乗り越えようとする兵士は、籠城側にとっては格好の的になる。それでも、何人かが乗り越えられれば攻城側は楽になるわけだ。

一方、籠城側も兵器を使う。これは「いかに相手の動きを止めるか」という方面がメインだったようだ。
具体的には、杭をたくさん打って縄や網を引っ掛け、押し寄せてきた敵が足を取られて転んでしまう「乱杭(らんぐい)」や、先を尖らせた杭を同じくたくさん打って敵が近づけないようにする「逆茂木(さかもぎ)」、竹を組んで壁とした「柵(まっすぐ組めば柵、筋違いに組めば虎落)」などが活用されている。

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