攻城団ブログ

お城や戦国時代に関するいろんな話題をお届けしていきます!

榎本先生の最新刊「ナンバー2の日本史」について対談しました

こちらもご覧ください!(広告掲載のご案内

昨日は攻城団テレビで榎本先生の最新刊「ナンバー2の日本史」についての番組をライブ配信しました。
リアルアイムでご覧くださったみなさん、ありがとうございました。
アーカイブで視聴できますのでタイミングがあわなかった方もぜひご覧ください。
(カメラの設定の問題か、ちょっと画面が暗くてすみません)

youtu.be

300ページをこえているので読み応え抜群の一冊です。
分厚いけれど、ひとりひとりの紹介はそんなに長くないので(だいたい2〜4ページほど)通勤中や就寝前などのちょっとした時間に読み進めやすいと思います。

この本は古代から江戸時代まで、その時々の権力者を支えたナンバー2をまるっと紹介した内容になっています。
どんな人物が収録されているかは最後にもくじを貼り付けておくので確認していただくとして、ライブでは最初にタイトルにある「ナンバー2」についての確認からはじめました。天皇を補佐する摂政・関白はともかく、執権(天皇を支える将軍の補佐)や大老(天皇を補佐する将軍に仕える大名)は「2番目(ナンバー2)」なのかについては厳密には異なるものの、その時代を動かしていた最高権力者の右腕という定義になっています。
逆に言うと天皇が名目上はともかく、実質上において最高権力者ではなかった時代が長かったという日本史を再認識するきっかけにもなりました。

またこの本は人物列伝でありながら通史のように書かれていることもあり、卑弥呼の時代から幕末までの大きな流れがつかみやすい構成になっています。
ナンバー2の影が薄い時代もあれば、ナンバー2が複数いた時代もあり、そうした強弱も俯瞰して見れると思います。

さらに! これは1月に攻城団テレビで4時間かけて日本史における「変」と「乱」を総ざらいしたこともあって気づいたのですが、ナンバー2はだいたい変と乱の当事者になってますね。
だから榎本先生の前著「将軍の日本史」との兄弟本でありながら、「変と乱で読み解く日本史」の書籍化の側面もあるなと思って読みました。

blog.kojodan.jp

「将軍の日本史」についても内容を紹介する番組をつくってるのでぜひご覧ください。

blog.kojodan.jp

番組中でもふれたのですが、個人的には「おわりに」にあったこの文章が素敵だと思いました。

一口に成り上がり出世人といっても、柳沢吉保と新井白石と田沼意次では違う。藤原氏と北条氏も違う。その違いにこそ物語があり、歴史の面白みがある。

俯瞰することで「パターン」は見えてくるのですが、細かく見ていくと個別に異なっているんですよね。その差異を見つけていくことに歴史を学び楽しむ余地があり、攻城団では今後もいろんなコンテンツをつくっていこうと思います。
ぼくは「下馬将軍」の異名を持つ酒井忠清が非常に印象深かったのですが、みなさんはどのナンバー2に惹かれますか? ぜひ読んで感想を聞かせてください。

以下、目次です。

はじめに
第一章 大王・天皇の補佐役
〈一〉卑弥呼の弟
〈二〉神功皇后
〈三〉武内宿禰
〈四〉聖徳太子
〈五〉蘇我馬子
〈六〉藤原鎌足
〈七〉藤原不比等
〈八〉長屋王
〈九〉藤原四兄弟
〈十〉橘諸兄
(十一)藤原仲麻呂
(十二)道鏡

第二章 摂関政治と院政期のナンバー2
〈一〉藤原百川
〈二〉藤原良房
〈三〉藤原基経
〈四〉菅原道真
〈五〉藤原時平
(六)藤原忠平
(七)藤原実頼と藤原師輔
(八)藤原兼通と藤原兼家
(九)藤原道隆と藤原道兼
(十)藤原道長
(十一)藤原頼通
院政の始まりと藤原摂関家

第三章 鎌倉幕府は執権のものか
強力なナンバーワン・頼朝の時代
〈一〉北条時政
〈二〉北条義時
〈三〉北条泰時
〈四〉北条経時
〈五〉北条時頼
〈六〉北条時宗
〈七〉北条貞時
〈八〉北条高時
権力が移り変わった鎌倉時代

第四章 室町幕府、持ち回りの管領
〈一〉足利直義
〈二〉高師直
〈三〉細川清氏
〈四〉斯波高経
〈五〉細川頼之
(六)斯波義将
(七)細川頼元
(八)三管領家の成立
(九)畠山満家
(十)足利氏満と足利満兼
(十一)足利持氏
(十二)細川持之
(十三)畠山持国と伊勢貞親
(十四)細川勝元
(十五)足利成氏
(十六)足利政知
(二二)三好長慶
(二三)三好三人衆
(二十四)織田信長
不安定な時代のナンバー2

間章 戦国大名とナンバー2
戦国大名とナンバー2
(一)武田信繁
(二)豊臣秀長
(三)朝倉宗滴
(四)島津四兄弟
幼少から共に過ごした側近
(五)片倉景綱
(六)島左近
(七)直江兼続
(八)鍋島直茂
大名のブレーンといえば僧侶
(九)太原雪斎
天下人にナンバー2はいたか
(十)明智光秀
(十一)石田三成
(十二)徳川家康

第五章 巨大官僚組織・江戸幕府の舵を取った幕閣
江戸時代の始まり
〈一〉本多正純と土井利勝
〈二〉酒井忠勝
〈三〉松平信綱
〈四〉徳川光圀
〈五〉保科正之
〈六〉酒井忠清
(七)堀田正俊
(八)牧野成貞と柳沢吉保
(九)間部詮房
(十)新井白石
門閥譜代も子飼いも活用した吉宗の政治センス
(十一)水野忠之と松平乗邑
(十二)大岡忠相
(十三)大岡忠光
(十四)田沼意次
(十五)松平定信
(十六)寛政の遺老と水野忠成
(十七)水野忠邦
(十八)阿部正弘
(十九)堀田正睦
(二十)井伊直弼
(二一)安藤信正と久世広周
(二二)一橋慶喜と松平慶永
(二三)慶喜の側近たち
江戸時代のナンバー2それぞれ

おわりに
参考文献

ナンバー2の日本史

ナンバー2の日本史

  • 作者:榎本 秋
  • エムディエヌコーポレーション(MdN)
Amazon

フィードバックのお願い

攻城団のご利用ありがとうございます。不具合報告だけでなく、サイトへのご意見や記事のご感想など、いつでも何度でもお寄せください。 フィードバック

読者投稿欄

いまお時間ありますか? ぜひお題に答えてください! 読者投稿欄に投稿する