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【お城の基礎講座】18.天守にある4種類の破風(はふ)

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のイメージ...

破風(はふ)というのは天守を飾る代表的な意匠の一つです。
破風には構造上必ずできるものと、装飾のためにつけられるものがあります。
そして、入母屋破風(いりもやはふ)、切妻破風(きりつまはふ)、千鳥破風(ちどりはふ)、唐破風(からはふ)の4種類があります。
今回はその破風について見ていきましょう。

4種類の破風

構造上必ずできる破風(はふ)

天守に用いられる破風は全部で4種類あります。
入母屋破風(いりもやはふ)、千鳥破風(ちどりはふ)、切妻破風(きりつまはふ)、唐破風(からはふ)の4種類です。
そのうち、構造上必ずできる破風は入母屋破風と千鳥破風です。

入母屋破風(いりもやはふ)

すべての天守の最上階には入母屋造の屋根が使われるため、必ず入母屋破風が設けられます。
また、望楼型天守の一重目や二重目にも入母屋造の屋根が使われるため、入母屋破風が付けられます。
入母屋造の屋根が大きければ大きいほど、入母屋破風が巨大になるため、天守の威厳を示すのに巧みに使われました。

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▲ 入母屋造の屋根には必ず入母屋破風ができる。

切妻破風(きりつまはふ)

切妻破風は千鳥破風と同じように三角形の破風です。
切妻造の建物の屋根に必ずできる破風です。
しかし屋根の端が本体の軒先まで突き抜けているため、妻壁という三角形の壁が天守本体の壁と続いている構造になります。

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▲ 切妻造の屋根には必ず切妻破風ができる。

装飾のための破風(はふ)

天守に用いられる4種類の破風のうち、装飾のために用いられる破風は、千鳥破風(ちどりはふ)と唐破風(からはふ)です。

千鳥破風(ちどりはふ)

千鳥破風は最も一般的な三角形の破風で、装飾のために使われます。
入母屋破風に形が似ていますが入母屋破風は屋根と一体化しているのに対し、千鳥破風は屋根のどこにでも作ることができます。
そのため、天守を飾るためにいろいろな天守で多用されました。

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▲ 屋根のどこにでもつけることができる、装飾のための破風。

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▲ 入母屋破風は屋根の構造上必ずできる破風。千鳥破風は屋根の構造とは関係していないためどこにでもつけることができる。

唐破風(からはふ)

最も装飾性の高い破風が唐破風です。
弓なり状の形が特徴です。
軒先の身を丸く持ち上げた軒唐破風(のきからはふ)と、屋根全体を丸く作った向唐破風(むこうからはふ)の2種類があります。
唐破風は神社などでも使われる装飾性の高い破風のため、最上階の屋根に置かれることが多くありました。
しかし下の重に巨大な破風がある場合、その頂点が上の重の軒とかぶらないように、軒唐破風として逃すこともありました。

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▲ 軒を弓なり状にした破風

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▲ 軒を弓なり状にした破風

発展型

これらの破風は天守の外観が単調にならないように工夫されて配置されました。
例えば千鳥破風や入母屋破風は二つ並べる使い方が多く、千鳥破風(ちどりはふ)を並べたものを比翼千鳥破風(ひよくちどりはふ)、入母屋破風(いりもやはふ)を並べたものを比翼入母屋破風(ひよくいりもやはふ)と呼びます。

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▲ 名古屋城天守。二重目、三重目の屋根に比翼千鳥破風が置かれている

まとめ

天守には構造上できる破風と、装飾のための破風があり、入母屋破風、切妻破風、千鳥破風、唐破風の全部で4種類の破風があります。
天守に行かれたときは、この破風にも注目してみてください。
ということで、天守を彩る4種類の破風があるよというお話でした。
じゃあね🖐️

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