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【お城の基礎講座】82. お城の忠実な復元・平成の復元ブーム

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平成3年に白河小峰城の三重御櫓と門が木造で再建されました。
これをきっかけに木造で天守を復元するという動きが加速し、「平成の復元ブーム」が生まれました。
それ以外にも石垣や土塁、堀なども復元整備されるところが増えてきています。
今回は、史実に忠実なお城の復元というテーマで見てみたいと思います。

お城の忠実な復元・平成の復元ブーム①天守の復元

平成3年(1991)、白河小峰城(しらかわこみねじょう)の三重御櫓と門が木造で復元されました。
それまでの建築基準法では木造で2階以上の建物を作れなかったため、作りたくても作れなかった木造の復元でした。
これはお城ファンや地域の人々がとても喜ぶ結果であり、その後いくつか木造で天守が復元されるという「平成の復元ブーム」がやってきました。
平成6年(1994)には掛川城(かけがわじょう)の天守
平成7年(1995)には白石城(しろいしじょう)の御三階櫓
平成16年(2004)には新発田城(しばたじょう)の三階櫓
同じく平成16年(2004)に大洲城(おおずじょう)の天守
木造で復元されました。
白河小峰城が木造復元を目指したことと、建築基準法の改正によって木造での復元が可能になったのです。
また現在では管轄官庁である文化庁からの指導で、城跡には事実とは異なる建物を作ることができなくなりました。
つまり忠実に近い姿で復元整備することを求められているのです。

【2020年5月23日追記】
史跡などにおいて天守や櫓、門などを復元するときの新基準が決定しました。
令和2年(2020)4月17日、文化庁が発表しました。
国史跡などで歴史的建造物を復元するとき、本来の意匠や構造が十分には分からなくても文化庁の許可を得やすくすると思われます。
これで、新たな復元天守の建築や建て替えなどが進むと期待できます。
詳しくはコチラの記事で。

お城の天守・門・櫓・御殿が復元しやすくなる。史跡の魅力・価値向上の新基準が決定しました。 | 犬山城を楽しむためのウェブサイト

 

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初めて木造で復元された白河小峰城の三重御櫓

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掛川城天守が木造復元され、現存の二の丸御殿、太鼓櫓とともに立派な姿を取り戻した

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新発田城の御三階櫓

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大洲城天守の復元は立派だ

お城の忠実な復元・平成の復元ブーム②天守以外の復元

天守だけでなく、城門や櫓、御殿などの復元も行われるようになりました。
また石垣や土塁、堀なども復元整備されるところが増えてきました。
これらは本来あった城として機能していた時代に近い姿を後世に残すという重要な役目があると共に、観光戦略の一環として復元されていることがあります。
さらに中世の山城や山麓の城下町、城館などが復元される例もあります。
一乗谷城朝倉氏館(福井県)では、一乗谷の城下町中世の街並みがよく再現されています。
江馬氏下館(岐阜県)では、中世の城館と庭園が復元されています。
最近では名古屋城本丸御殿(愛知県)が木造で復元されるなど、様々な形で復元整備されています。
発掘調査も盛んに行われており、今後ますます復元整備されるところが増えてくるものと期待しています。

 

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福井県にある山上の一乗谷城と山麓の朝倉氏館は、二元構造の中世城郭として見ごたえたっぷり

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岐阜県飛騨市にある江馬氏下館(山麓)には城館が復元されており、高原諏訪城(山上)には曲輪や土塁などの遺構が残る

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名古屋城本丸御殿は当時の工法で復元された

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まとめ

白河小峰城の三重櫓の木造復元を皮切りに、お城が史実に近い姿で復元されるようになってきました。
近年の発掘調査の成果も目覚ましく、今後このような復元整備が進んでいくものと考えられます。
今までは想像でしかなかったお城の姿が、現実のものとして見えてくるというのは非常に画期的な事と考えます。
ということで史実に忠実に復元復元されるお城というお話でした。
じゃあね🖐️

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