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【お城の基礎講座】30.最高格式の三重櫓(さんじゅうやぐら)

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のイメージ...

三重櫓はとても大きく、天守に匹敵するサイズです。
櫓の中では三重櫓は最高の格式とされました。
天守代用としても使われた三重櫓について見てみましょう解説します。

ちょこメモ0150

御三階櫓(ごさんかいやぐら)

  • 三重櫓は特別な櫓
  • 最高格式の櫓
  • 御三階櫓とも呼ばれ、天守代用とされた

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▲ 丸亀城天守。かつては天守代用の御三階櫓と呼ばれた。(写真:たかまる。)

三重櫓(さんじゅうやぐら)は最高の格式を持つ櫓で、特別な櫓とされました。
大きさは小型の天守に匹敵するもので、天守を持たないもしくは持てない城では三重櫓が天守の代用とされました。
天守代用の三重櫓は「御三階櫓」(ごさんかいやぐら)などとも呼ばれており、現存天守である弘前城天守や丸亀城天守はもともとこの天守代用の三重櫓なのです。

形式

  • 天守と同じように望楼型と層塔型がある

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▲ 名古屋城の西北隅櫓。(写真:たかまる。)

三重櫓には天守と同じように望楼型(ぼうろうがた)と層塔型(そうとうがた)の2種類がありました。
天守と同じように古い時代には望楼型が一般的でした。
一重目と二重目は同じ大きさに作り、その上に入母屋造(いりもやづくり)の大屋根を作って、さらにその上に小さな三重目を載せたものが望楼型です。
層塔型の天守ができると三重櫓も層塔型になっていきました。
正方形や短い長方形の平面で、床面積の小さな三重櫓が建てられました。
三重櫓を建てていた城には、江戸城、徳川大坂城、姫路城、岡山城、熊本城、高松城などがあります。

大きさ

  • 最大の三重櫓は熊本城・宇土櫓
  • 最小の三重櫓は弘前城の三基

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▲ 江戸城の富士見櫓。(写真:たかまる。)

現存する三重櫓のうち最も大きいものは熊本城の宇土櫓です。
宇土櫓はもともとは天守だったという説もあるほど大きく、規模で言えば、姫路城天守、松江城天守に次ぐものです。
一方で、現存する三重櫓のうち最も小さいものは弘前城二の丸辰巳櫓(たつみやぐら)、未申櫓(ひつじさるやぐら)、丑寅櫓(うしとらやぐら)です。

現存する三重櫓

  • 現存する三重櫓は12基のみ

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▲ 高松城の月見櫓。(写真:たかまる。)

現存する三重櫓は、全部で12基だけです。
現存する天守の数と同じなのは、何かの偶然なのでしょうか?

城の名前 櫓の名前 創建年代
弘前城 辰巳櫓(たつみやぐら) 1611年(慶長16年)
弘前城 未申櫓(ひつじさるやぐら) 1611年(慶長16年)
弘前城 丑寅櫓(うしとらやぐら) 1611年(慶長16年)
江戸城 富士見櫓(ふじみやぐら) 1659年(万治2年)
名古屋城 西北隅櫓(せいほくすみやぐら) 1619年(元和5年)
彦根城 西の丸三重櫓 慶長年間?
明石城 巽櫓(たつみやぐら) 1620年(元和6年)
明石城 坤櫓(ひつじさるやぐら) 1620年(元和6年)
福山城 伏見櫓(ふしみやぐら) 1622年(元和8年)
高松城 月見櫓(つきみやぐら) 1676年(延宝4年)
高松城 艮櫓(うしとらやぐら) 1677年(延宝5年)
熊本城 宇土櫓(うどやぐら) 1601〜1615年頃

まとめ

  • 三重櫓は櫓の中では最高格式の櫓
  • 天守代用ともされた
  • 現存している三重櫓は熊本城、名古屋城など12基のみ

三重櫓はとても貴重で、天守代用として御三階櫓とも呼ばれるほどでした。
現存している三重櫓も、弘前城、高松城、名古屋城、熊本城など限られた所にしかありません。
現存天守だけでなく現存三重櫓も巡ってみると面白いかもしれませんね。
ということで最高格式の三重櫓について紹介しました。
じゃあね🖐️

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