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【江戸時代のお家騒動】⑥殿様VS門閥譜代家臣の戦い

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しばしば大名を凌駕するほどの門閥譜代の存在感

譜代、という概念がある。「代々仕えている家臣」程度の意味で考えてもらえばいい。「譜代大名」という言葉が有名だが、これは大名のうち徳川家が天下を取る前から仕えてきた、すなわち譜代のものを指す。

太平の時代が長く続き、藩という組織が硬直化していくようになると、自然と彼ら譜代――その中でも代々重職を世襲する名門が力を持ち、「門閥譜代」などと呼ばれるようになる。
彼らは実務面という意味ではしばしば大名を凌駕するほどの力を持ったため、門閥同士の主導権争いや、大名と門閥の意見対立などがあると、激しい政治抗争に発展するようなこともあった。

そして、本当に最悪のケースでは、それがお家騒動にまでなってしまうのである……。というわけで⑥としては、彼ら門閥譜代が重要な役割を果たすお家騒動を中心にまとめてみた。

身につまされる教訓⑥ 藩はまさに“老舗企業”のようなもの

⑥パターンのお家騒動は、老舗企業内部の対立に重ねることができる。
たとえば設立してから十数年程度の会社であっても、「自分は設立当初から居て、大変な時代を社長と一緒に切り抜けてきたんだ!」と考える古参社員と、「成長し続けるこの会社には、俺のようなエリートが必要なんだ!」と考える新参社員の対立は存在し得る。それが創業何十~何百年の老舗だったり、あるいは幾つもの会社がまとまったような存在だったらいよいよこの種の対立は増えてしまう。

藩はまさに「老舗企業」のようなものだ。
江戸時代の初期から、いやそれどころか戦国時代よりさらに前から仕えてきた一族というのも珍しくなく、そのような家は「我が家こそがこの藩を守ってきたのだ」という強烈なプライドを持っている。

昔から仲がいい家、仲が悪い家といった家同士の因縁も絡んでくるだろう。新参の成り上がりに対する蔑視もあるだろう。そして、藩主が「これからは新しいやり方でやる!」などと宣言すれば、「主君といえど古来の法を破ることは許されない」と猛然と食って掛かるはずだ。
結果、「門閥譜代を原因とするお家騒動」が巻き起こるのである。

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