攻城団ブログ

お城や戦国時代に関するいろんな話題をお届けしていきます!

【殿様の左遷栄転物語】第1章まとめ コネクションこそがカギ

こちらもご覧ください!(広告掲載のご案内

千差万別な大名のあり方

ここまで読んでいただいて、関ヶ原の戦いで改易され、その後復活――と一口に言っても、さまざまに固有の事情があり、再興にいたる道筋もまたそれぞれに千差万別であった、というのがおわかりいただけただろうか。
本章で紹介したのは再興を成し遂げた成功者たちであったわけだが、もちろん大名としての再興がかなわずに旗本や藩士として血筋を残したり、あるいは大坂の陣という豊臣時代の最後を飾る戦いにおいて散った者たちも無数にいた。本章の主役たちと彼らの違いはいったいなんだったのか――簡単にまとめるのは難しいが、やはり「コネクション」だったのではないか、と私は思う。本章で紹介した再興の成功者たちは、もともと家康や秀忠、あるいは徳川家臣とのつながりがあったり、有力大名を後ろ盾に持っていたりして、そのコネを武器にして家名の復活にこぎつけているように見えるのである。

もちろん、彼らの武勇や智謀、戦功が評価された部分もあったろうし、大名のそばに最後まで残った家臣団のバックアップがあってこその成功、という部分もあっただろう。だが、やはり一度改易された家を再興させるか否かというのは、将軍や幕閣の重鎮たちの恣意が働いた部分が大きく、彼らとつながりがあるか、彼らに有効に働きかける道筋がついているか否か、というのが先に立っていたような気がするのである。

実力とコネと

これが現代を生きる私たちにとってまったく他人事ではないのはいうまでもない。
「コネで仕事を有利に運ぶ」ということになんとはなしの抵抗を感じる人もいるかもしれないが、付き合いがある相手、好きな相手を優先するのは世の常だ。社外の付き合いでも、社内の付き合いでも、コネクションは役立つ。

日本でも「実力主義」が叫ばれるようになってずいぶん経つが、実際のところ「実力」なるものを厳密に評価するのは難しい。
たとえば営業職が「○○件契約を取った」とはいっても、その背景に無理なダンピングがあったり、犯罪的な行為があったり、あるいは事務や製作といった別の職種の働きのほうが大きかったりするのでは、単純に契約数で評価を決めるわけにもいかない。

そのようにあやふやな状況において、誰をどのように評価するか。そうなると結局、「コネは大事だよね」となってしまう。誰々さんが評価しているから、誰々さんが保証してくれるから、じゃあちょっと活躍の機会を与えてみようか……別に責められるようなことではない。評価の重要な基準だ。最後にものをいうのは人付き合いなのだ。

フィードバックのお願い

攻城団のご利用ありがとうございます。不具合報告だけでなく、サイトへのご意見や記事のご感想など、いつでも何度でもお寄せください。 フィードバック

読者投稿欄

いまお時間ありますか? ぜひお題に答えてください! 読者投稿欄に投稿する