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【江戸時代のお家騒動】⑧自浄作用としての「藩主押込め」

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家臣たちが藩主を強制的に隠居させてしまう

ここまで見てきた通り、お家騒動には様々な終結パターンが存在する。
大規模なものに発展する前に「手打ち」になるケースもあれば、行き着くところまで行き着いてしまって幕府が介入、改易処分になってしまうケースもある。そこまでいかなくとも、かかわった関係者(藩主含む)が処刑や切腹、隠居、追放などの処分を受けて決着、というケースも珍しくない。

そんな中、「藩主押込め」という形で決着することがあった。
これは家臣たちが藩主を押込め、すなわち強制的に隠居させてしまうケースだ。藩主がよほど暗愚で「どうにかしなければ藩政が危ない!」ということもあれば、改革を志す藩主と既得権益を守ろうとする家臣団の対立が激化した結果、ということもあるだろう。

どちらにせよ、本来江戸時代的な武士道であれば「家臣は主君の命に従って当たり前」であるにもかかわらず、事態が切羽詰まった場合は、ある種の自浄作用として家臣が主君を排除してしまうケースがあり、それこそが「藩主押込め」だったのである。

身につまされる教訓⑧ 武力に頼らず藩主を「押込め」るメリット

この「藩主押込めパターン」は、③の「主家異動パターン」とよく似ている。
つまり、主君になにか大きな問題があったり、あるいは家臣に野心があった場合、織豊時代なら家臣が主家に取って代われる可能性があり、さらに遡った戦国時代なら下剋上ができた。

しかし江戸時代にそのような派手な振る舞いに及べば、一発で幕府に目をつけられ、立て直すはずだった、あるいは乗っ取るはずだった藩もろとも叩き潰されてしまう。これでは意味が無い。そのため、政治闘争では決着がつかないような状況においても武力に頼るのではなく、見た目穏便な手法―― 「押込め」が取られた、というわけだ。
それぞれの関係性は同じでも、時代や状況が変われば取られる手段は変わる。
当たり前のことだが、結構見逃しがちなことでもあるだろう。

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